旧ウェブサイトで好評でした「教養だって磨いちゃえ」のコーナーを不幸にして読み逃したお客様、もう一度読みたいというお客様からの声により、不定期掲載のパティシエズトーク(旧名 「教養だって磨いちゃえ!」)を、書庫版にしてまとめました。これからも歴史・文化・調理技法・など幅広い知識を提供して参ります。末永いご愛読を賜りますようお願い申し上げます。

2003年-<ウィンドウ磨き職人ソトムラの「教養だってみがいちゃえ〜!」>
Vol.1 話題の職業 バリスタってな〜んだ!? Vol.2 バニーユの影の主役 ワインの世界
Vol.3 メイプルシュガーはなぜ美味しい? Vol.4 バニーユの水のおはなし
Vol.5 ショコラティエというお仕事 Vol.6 もっと!こだわりたい紅茶のお話
Vol.7 香りのオーケストラ ハーブの世界 Vol.8 マリーアントワネットをギロチンに送ったお菓子
<パティシエズトーク> 2004年〜2005年
Vol.9 コーヒー 〜物語を演出する飲み物〜 Vol.10 レストランで満足出来る食事法
Vol.11 美味しくてヘルシー アイスクリームのヒミツ Vol.12 ショートケーキは日本でしか食べられない!?
Vol.13 とっても幅広い!パティシエという仕事 Vol.14 ほっぺたが落ちる!?チーズの話
Vol.15 ブドウは国の一大時!〜収穫祭とボジョレーヌーボー〜 Vol.16 明日使えるクリスマスのトリビア
Vol.17 春の足音はミモザとともにやってくる Vol.18 チョコレートは大人の味覚なんです
Vol.19 モンブランのモンブラン Vol.20 国産ワインに革命が起きた?
Vol.21 世界はキャラメルブーム Vol.22 ドレスに最も似合うお酒 〜シャンパン〜





ウェブサイト管理人
 「今日はお忙しい所をどうも」


山本「いえこちらこそ」

管理人「今回サイトをリニューアルするので、普段話をしている内容をそのままシェフ紹介文に、しかも対談形式にしてまとめて見ようという試みでして。」

山本「あ、それは挨拶の文章を考えなくて良いから楽ですね(笑)」

管理人
「いつも試作品を頂いているので、もう大概のものでは驚きませんけど、この間頂いたお菓子はびっくりしましたね。タルト生地の代わりに最中を素材に取り入れたものも驚きましたし、モンブランヴェールに至っては電話の説明ではどんなものかイメージすら出来ませんでした。


山本「僕はフランス菓子の技法を取り入れた創作菓子職人ですから、言ってみればフランス文化の一部を輸入している訳です。しかしフランス文化は進歩に貪欲ですからその精神を生かしたいのです。中華料理の革命となったヌーベルシノワだって、中華の原点は大切にしたまま、自由闊達(かったつ)な発想で斬新な料理を次々と生み出しましたよね。僕がおそらく初めてタルト生地の代わりに最中をケーキ食材に取り入れたのもそうですし、合わせるのが難しい抹茶と苺の組み合わせで、和菓子の外観を持ったモンブランヴェールを考案したのもそういう気持ちの現れです。」

管理人「常識外の答えを出すのは相当勇気が要りますね。」

山本「でも非常識な解であるからこそ、淘汰を受けずに残れば世の進歩に貢献した事になるし、衆目一致のブランドになりますよね。しかも一旦ブランドになった後でさえ十年一日の商売では決してなく、お客様を積極的にリードして最高の満足を与え続けていく責務を負っています。ブランドの歴史を追ってみればワンパターンに見えて、変わり続けている事に気づかされるのです。ブランド信仰を批判する方も多いですけど、僕にとってブランドには見習う点が多いのです。その積み上がったストーリーに高額を払う事に価値があるからです。

管理人「以前大阪で作家・堺屋太一氏の講演を聞いたのですが、ブランド品の材料代や工賃を合わせて1とすると、付加価値分が価格の99パーセントを占めるのだそうです。ブランドの価値を軽視すると大変な事になりますね。作るという作業に価値があるのではなくて、何を作るかを考案する事に価値のほとんどがあることになります。」

山本
「新興店のオーナーである僕などがブランドを語るなど100年早いのですが(笑)、僕が考案するレシピが息長く支持される商品に育ってくれるといいなと思っています。そのために払う苦労は決して苦痛ではありません。調理人になった事は良い選択だったと思います。一生をかける価値がある仕事だと思いますよ。」


管理人
「どうもありがとうございました。それではこれをまとめて挨拶にしておきますので。ところで、年末に六本木ヒルズのラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブションに行く予定なんですけど、どんな感じなんですか?」


山本
「斬新ですよー。料理のスタイルも、お店のレイアウトとかも(以下略)」

(以降、延々と夜中まで食べ物の話が続く)

<注>当挨拶の文章は2004年2月に再推敲を行いました。対話の要約部分を微妙に変えておりますが、意趣に変更はございません。

いつもこんな感じでホームページを作っています。このページをお読みくださった皆さんも、バニーユのケーキの感想を当サイトへお送り下さい。 <ウェブサイト管理人敬白>
E-Mail:monsieur@vanille.co.jp